退去時精算費用で揉めた話

— 本題に入る前に —

賃貸住宅に入居する場合、借主(入居者)には原状回復義務が生じます。
この原状回復については、国土交通省がガイドラインを定めており、退去時の精算等はこれを根拠に計算をするわけです。
ガイドラインには様々な事項が記載されていますが、重要なのは

賃借人が借りた当時の状態に戻すことではないこと

今回、自分が交渉したのは壁のクロス部分の補修費用でした。
私が入居していた期間は1年8ヶ月=20ヶ月。6年間=72ヶ月で1円≒0%となるのでこちらの負担割合を計算すると

1 – (20ヶ月 ÷ 72ヶ月) ≒ 0.72

約72%がこちらの負担割合となります。
尚、壁のクロスは場合によっては全面張り替えもやむなしとされていますが、基本的には破損・汚損した箇所を部分的に㎡単位で算出するものとされています。
そして、全面張替えとなった場合でも入居して期間が経過している以上、100%こちらが負担するということはないわけです。経年変化や通常損耗といった下落した価値についての費用は普段支払っている賃料の中に含まれている為、100%負担した場合、下落した価値の費用を二重で支払うこととなります。

これらを踏まえた上で、以降の話を読んでいただけると幾分か読み易くなると思います。そして、今回私が交渉をした相手が原状回復について理解していないような業者であったということも伝わればいいなと思っています。

会話の内容は自分の記憶に基づき書いており、ほぼやりとりそのまま記載しておりますが、あくまで記憶でしかないので大体の雰囲気を理解していただければ幸いです。

尚、これから書く内容で、こちらが準備しておけば防げたであろう事柄がいくつも出てくると思います。当然、私自身もその点については理解しており、様々なことについて事前から検討していかなくてはいけないということを身を以って学びました。こちらが反省すべき点については、最後の方でまとめて書いておきます。ここからの本題については、何も知らなかった状態で業者から必要以上に金額を請求され、調べた結果を基に交渉(というより説得)したことで、結果的に妥当と言える金額に
まで請求金額を低く抑えることができた経緯を見ていただきたいと思います。

終盤部分がわかりづらいので予め補足しておきます。私が精算金額について交渉をしたのは管理会社から業務委託を受けた『精算会社』。振込等の金銭的なやり取りを行ったのは『管理会社』です。

 

— 本題 —

■2016年11月末

前日に引越し・清掃を済ませた上での退去立会い。この時に同時に精算を行いました。
ちなみに私が入居していた住宅は
賃料 : 58,000円
管理費 : 3,000円
毎月計61,000円の新築物件でした。ちなみに敷金礼金は0。ハウスクリーニング代は契約時に支払い済み。
原状回復についての知識はなかったものの、ほとんどの場合敷金で相殺されるという話が調べるとよく出てきたので、自分の場合は敷金0ということで、50,000~60,000くらいになるのかな、と思っていました。

話は戻り、立会い開始。業者は私に説明をする人が1人。恐らく研修と思しき人が1人。研修担当者っぽい人が1人(見た感じ一番偉い人の雰囲気)。私を除くと3人の男性が立会い・精算の場にいました。
まずエアコンにカビている部分があるということでエアコンクリーニング代が12,500円。
鏡にうろこのような汚れが残っているので研磨代がおよそ7,000円。
後で調べたところ、どちらも妥当な金額だそうです(エアコンについては実際に仕事でやっている人にも確認しました)。
問題はここから。実は、壁のクロスが剥がれている面が二箇所ありました。しかも契約書を見ると「部分補修が困難な為、全面張替えとなります」との記載。その為、剥がれた面は全面張り替えの費用が発生するんだろうなくらいに思っていました。
実際に該当の面については張替えとなりました。ただ、そのうちの一つはアクセントクロスと呼ばれるグレーのクロスだったのですが、これが通常のクロスより少し割高になるということをその時初めて知らされました。補足しておくと、今回新築物件への入居にあたり、建築中に契約を行った為図面の確認のみで内装を事前に知ることはできませんでした。当然アクセントクロスの存在は知らないわけです。
とはいえ自分で傷をつけてしまった面であるからそれはしょうがないのかなと思いつつこれ以上は傷のある部分もないので大丈夫だろうと安堵していました。
ただしまだ精算は終わりません。白い壁が若干黒ずんでいる部分が何箇所か見つかりました。よく近付いて見ないと気がつかない程度のもので掃除の際に見落としていたのです。それを指で軽くこすった精算担当者が一言。
「これは取れないので全面張替えになります」
絶句しました。それが傷のついた面以外の面に数箇所あるわけですから金額も膨らむわけです。
結局そのまま金額の算出へ。出てきた金額を見て動揺しました。ただ、概算の項目内に「鍵交換費」の文字が。
今回鍵は最初にもらったもの(二本)を返却しているのになぜ?と思いつつ担当者の持つチェックリストをよくみると「鍵交換有無」のチェックリストの「無」欄にチェックが。その点を指摘すると研修担当者の男性(多分一番偉い)が「どうした?」と精算担当者に話しかけます。
「鍵なんですけど」
「『無』にチェックは入ってるよ」
「あっ・・・失礼致しました、計算し直しますね」
危うく16,200円も余計に取られるところでした。とはいえそれが減ったところで当初予想していた金額の2倍以上であることには変わりなく。
「内容に問題がなければサインをお願いします」
大有りなんですけどこの時点ではそれを判断できる知識がなく、あと情けない話ですがスーツ姿の男性3人を前にして単身では断ることができませんでした。結局その場でサイン。
「後ほど正式な明細を送付しますので振り込みをお願いします。壁のクロスは張替えの費用が掛かるので次の家でも気をつけた方がいいですよ」
気をつけたほうがいいですよのあたりはニヤニヤしながら言われました。腹が立ちつつこれ以上どうしようもなく新居へ。
この時点では生活できるけど何一つ余計な出費ができない状況になることを覚悟しつつ、提示された金額を払う気でいました。今思えば恐ろしいですが。
ただ、兄・姉にその話をしたところ、
「煙草も吸わずペットも飼っていないのにその金額はおかしい。泣き寝入りするな!」
と喝を入れられたので、請求書はまだ届いていなかったのですが明細の内容は概ね頭に入っていたのでそれを基に相談をすることにしました。

■退去立会日以降

まず相談したのが現在住んでいる地区の消費生活センター。原則として住んでいる地域の消費生活センターに問い合わせることになっているようで、一方で以前住んでいた物件(トラブルの原因となっている場所)とは異なるのでどっちに相談するべきかよくわからなかったのですが、現住所の地区の方で話は聞いてもらえました。私の地区の場合は受付時間が平日の8:30~17:00でした。地域にもよっては9:00~17:00だったりと差はあると思いますがいずれにせよ平日でないと相談は難しいと思います。その為、早めに出社して勤務開始前までに聞けるだけ聞いておくつもりでした。
相談はおよそ10分で終了。そこでわかったことは
・壁が全面張替えになっても全額負担する必要はない
・基本的には㎡単位での部分補修になること
つまりは原状回復についてです。ここでガイドラインの存在についても教えてもらいました。少し脱線しますが、今はガイドラインとなっている原状回復についての考え方は、法制化する動きもあるようです。とはいえいつになるかはわかりませんが。
話は戻り、この電話ではわからなかったことが一点ありました。それは
「サインをしてしまった以上提示された金額を支払わなければならないのか」
ということです。これについては消費生活センターではわからないとのことでした。
そこで、別の相談機関を紹介してもらいました。それは国土交通大臣から指定を受けた「住まいるダイヤル」という相談窓口です。名前を聞いて大丈夫かな・・・と不安になりましたが実際に電話を掛けたらちゃんと話を聞いてくれました。ちゃんとした窓口ですよ。尚、住まいるダイヤルは受付が平日の10:00~17:00だったので、消費生活センターへの問い合わせ後、仕事の昼休みの間に電話をし、15分ほど話をしました。
そこで判明したことが一点。
「サインをしてしまっていても、そこに払う必要のない金額が含まれているのであれば、その点については交渉が可能であるということ」
でした。ひとまずこれで基本的な情報は集まりました。それと住まいるダイヤルの方で更に詳しい情報が必要であればということで「借地借家人組合連合会」「宅地建物取引業協会」
を教えてもらいました。とはいえこちらについては知りたい情報が集まっていたため問い合わせはせず。(これら2つについては問い合わせをしていないことから正確な名称ではないかもしれません。)
あとは明細が届いて具体的な数字が分かり次第交渉しようと思いました。

何日か経って、郵送で来る前にメールで請求書のデータがきました。メールアドレスをサインの際に一緒に書いていたのですがこういう風に使われるんですね、説明何もなかったな・・・。(聞かずにサインする方にも問題はありますが)
そこで送られたきた実際の請求書の明細がこちら

見事に壁のクロスの負担割合が100%になっていますね。メールの受信に気が付いたのが仕事が終わって帰宅した21時頃だったので、次の日電話しようと思って営業日調べたら次の日休みでした。いきなり電話で長く説明するのも面倒なので事前にFAXでこちらの主張を管理会社に送付した上で営業日に電話をすることにしました。

ちなみにFAXに書いたおおまかな内容は
①壁のクロスの負担割合が100%になっているので計算をやり直して欲しい
②汚れているから張替えと言われた箇所は経年劣化に含まれる程度のはずなので除外して欲しい
③アクセントクロスについての説明が事前に何もなかったので通常のクロスの代金で精算して欲しい
④契約書の書き方では原状回復の場合必ず全面張替えをする必要があるという誤った認識を与えかねない。基本的に部分補修である以上それを適用して欲しい(できないのであればその理由を明確にして欲しい)
といったものです。③と④は正直無理だろうなとは思いましたが万が一これが通れば結果的にこちらの負担は減るので一応書いておきました。③については内見が不可能でありアクセントクロスの存在を知りえなかったことも併記。④については上で少し触れたとおり契約書に「壁の部分補修は困難である為全面張替えとなります」と書いてあったことに問題があるように感じたので追加しました。
送ったのはA4用紙4枚分。

FAX送信後、営業日を迎えたものの午前中に管理会社側から特に連絡はなし。仕事の昼休みを使って電話をします。電話をしたところFAXは受信していることが確認できました。が。
「退去に立ち会ったのは業務委託をしている別の会社なのですが説明ありませんでしたか?」
「そういったことは特に説明されませんでした」
「連絡先も聞いてませんか?」
「いえ、全く・・・」
退去立会いの時に軽く自己紹介はされましたがそういったことについては何の説明もありませんでした。まさか管理会社とは別の会社だったとは。
結局、管理会社側は精算に直接関与していないので、精算を行った会社の方から連絡をするとのこと。結局昼休みは管理会社が業務委託をしている会社(以降、『精算会社』と表記)について聞かされただけで終わりました。

夕方に精算会社から電話がありました。内容は
「オーナー様に相談をして値段を下げてもらいました」
とのこと。いや、オーナーに相談とかそういうことじゃなくて、そもそも払う必要のないお金が含まれているのでここまでやってるのですが。オーナーもグルなのか?
とはいえ結果として負担する金額が減るのであればこちらとしては細かいことはもういいかなと思っていたので説明を聞きます。
まずFAXで送った内容の③と④は却下されました。アクセントクロスについてはやはり価値を持っている以上それを別の価値に置き換えることはできないとのこと。④については、正直理由がはっきりしないのですがとにかく全面じゃないと壁が不自然になるとかそういったことの一点張りで応じてくれませんでした。そして②。これも却下されました。やはり経年劣化とはいえないとのこと。ここで一個確認をしました。
「指で軽くこするだけでそういう汚れかどうかわかるものなのでしょうか?」
「ちゃんと雑巾で拭いたりして確認はしていますよ」
「私がいる時にそんなことやってましたか?」
「そちらが帰った後にやりましたよ」
「それを何で立会いの時に直接見せてくれなかったんですか!」
「それはえっと・・・あの・・・すいません」
これは後で反省点でも挙げておきますが、やはり証拠として部屋の写真は残しておく必要があると感じました。とはいえ本人がいない間にそういう確認をするなら立会いは何の為にやったのか疑問が残ります。この点についてもこういった理由で張替えということになりました。
さて、本命である負担割合の再計算については最初に言われた通り(オーナー云々の説明は気に食わないとはいえ)受け入れられました。ただ、全部ではありませんでした。こちらが剥がしてしまった面については過失にあたるので負担割合は100%になるとのことでした。でもおかしいんですよね。そもそも壁自体の価値が72%にまで下落しているわけですから過失であっても100%がこちらの負担とはならないはずです。念の為、電話を切り、少しガイドラインを見直し再度その点について確認をしました。すると
「新築については適用されないんですよ」
とのこと。そんなことどこにも書いてなかったはずなのですが。とはいえこれ以上この相手と話しても埒が明かないと思い、相談窓口に確認することにしました。
ただ、精算会社と電話したのが18時を過ぎており、いずれの窓口も受付が終了していたことからその日の話し合いは終了。電話を切る直前には「もし何かあれば絶対に管理会社ではなくこちらに連絡を入れるようにしてください」と言われました。業務委託を受けている身としては管理会社に直接言われるのはあまり良くないのでしょう。立会いで管理会社の名前しか出さなかったのはそちらなんですけど。

同日夜、メールで修正後の明細が届きました。

クロスの項目が細分化されましたが、負担割合反映されてません・・・。これも含めて翌日問い合わせることにしました。

翌日の昼、再度住まいるダイヤルに連絡をします。
「壁のクロスの剥がれについてですが、新築の場合は負担割合が100%になるのでしょうか」
という質問。しかし、住まいるダイヤルでは明確な答えは出せないとのことでした。そこで、新たにもう一つ相談窓口を紹介してもらいました。「不動産流通推進センター」の無料相談窓口です。
そこに同じ質問をしてみると
・新築と中古で原状回復の考え方に差異はない
とのことでした。

流通推進センターで得られた回答を基に精算会社に連絡をします。
「不動産流通推進センターに連絡をしたところ、新築だからといってこちらが100%負担するということにはならないという話を聞きました。再計算してもらえますか」
「それはガイドラインの解釈の仕方の問題でして」
「どういった解釈なのかはわかりませんが、こちらは賃料を支払っている時点で経年変化によって下落した価値の補填は行っております。それでも100%負担するというのであればこちらは二重に負担するということになりますよね。どう解釈すれば払う必要のない金額を借主が支払うということになるのか説明していただけますか!」
「あーーーそれはーーー・・・わかりましたよ!でも請求書の修正はもうできないのでひとまず昨日提示した価格を振り込む前に連絡をしてください。その後振り込みを確認したらこちらから払い戻し分の精算をしますので。これでよろしいでしょうか!」
なぜか怒り口調になり始める相手。
「わかりました。それでお願いします」
「それでは失礼しま」
「それと請求書についてなんですけど」
「ああはいなんでしょうか!」
「負担割合が100%になったままなので貸主負担割合と借主負担割合をしっかりと記載してください」
「わかりました担当のものに伝えますのでそれでは失礼します!」
一方的に切断。用件済んだからいいとはいえ、仕事の電話でここまで露骨に感情的な態度を出すのはどうなんでしょうか。むしろ怒りたいのはこっちです。

修正後の請求書は夕方にメールで送られてきました。これでようやく終わり。そう考えていたのですが

アクセントクロスに割合書いてないしこれについては60%になるのは気になるのはさておき。壁クロス貼替の負担割合逆じゃないですか?冒頭から説明している通り、こちらの負担割合は約72%になるはずなのですが、この割合だと単純に減った価値を補填しているだけになります。電話でこの価格でよろしいですかと言われたときはすっかり72%の方で計算したものだと思って同意しました(恥ずかしい話ですが、負担割合と総額だけ見て、二枚目の画像の精算書が送られてきた時点では細かい計算をしていませんでした)。計算方法がこれで後で「間違えてたので正しい計算方法で算出した金額を支払ってください」と言われてはこちらも困ります。なのでメールで確認をしました。
「負担割合に間違いがなければこの金額で精算をしてください」
計算間違いをしたのは相手なので、割合戻しても払うつもりはありませんでしたが確認の為送信。すると翌日朝に精算会社から電話がありました。
「最後に確認ですが、あの金額で同意いただけたということでよろしいんですよね?」
「金額については問題ありません。ですが、負担割合の借主側が28%になっていますがこれ逆ではないですか?」
「いいえ。原状回復の考えに基づいて計算するとこうなります」
「承知致しました。それでは昨日受信した請求書の内容で精算を進めてください。振り込み前に連絡致します。」
「ありがとうございます。失礼致します」
前日より機嫌は良さそうでした。それはさておき、少なくとも私の担当者は原状回復について理解ができていない可能性があるということがわかりました。ちなみに後で払い戻すと言われた金額(上の『壁クロス貼替(廊下)』)も、100%で計算されていたうちの72%が戻ってきました。

払い戻し金額も計算に入れると、実質こちらの負担は前の住宅と賃料+管理費の一ヶ月分よりやや高い程度で収まりました。もう少しこちらがしっかりしていれば安くなった可能性もありますが、準備にしろ知識にしろ足りないものが多すぎたので今回の場合安くなっただけ悪くないと思うことにしています。

その後一週間程経過し、(少しややこしいのですが)紙の請求書と振り込みの要綱が書かれた紙が『管理会社』から届いたので、『精算会社』に連絡後、『管理会社』側に支払いを行い、『精算会社』からの100%で計算していた部分の払い戻しも確認ができたことで、今回の一件は全て終わりました。
退去時精算の話とは少し離れますが、今回退去が月末日ではなかった為、1ヶ月分の賃料のうち数日分払い戻しがありました。それは退去時精算の振り込みが確認できた後、こちらに振り込まれるという話だったので、まずこちらが支払い手数料を負担した上で振り込みを行います。ただ、紙を見ると
「払い戻し金額の振込手数料はお客様負担となります」

と記載してあったのでどういうことかと思っていました。答えは簡単で、管理会社からの振り込み金額が紙に書かれていた金額よりも低く、計算をすると丁度振込手数料を引いた金額でした。この辺りは特に問題があるのかどうかはよくわかりません。恐らく法的にも問題はない可能性が高いと思います。とはいえ自分の振り込みは当然ですが、相手の振込手数料もこちらが負担するというのは、変な表現かもしれませんが「対等ではない」ように思えてなりません。
何はともあれ、精算会社の人間が原状回復を理解していないというのも問題でしたが、そういった人間がいる会社に業務を委託している管理会社も決して信用のできるものではありません。少なくとも今後今回の会社が管理している物件には関わらないようにしようと思いました。

退去立会いから約2週間。時間は掛かりましたが不当な金額から(まだ下げられそうな部分はあったものの)妥当といえる金額にまで負担を軽減することができました。泣き寝入りせず交渉を続けて良かったです。

 

— 反省点 —

ここまで書いた通り、精算会社がいい加減であったことが原因で揉めることにはなりましたが、こちらがしっかりしていれば防げたであろう部分も少なくはありません。

・物件選び

■物件探しの時点で内見をしていない
これ、自分で言うのもどうかと思うのですがはっきり言って論外ですよね。探してた時期が悪く丁度その物件程度しか残っておらず、契約時には建設中の為内見は不可。今考えるとあまりにも考えが浅かったと思います。今回アクセントクロスについては結局通常クロスとは異なる価格での請求となりましたが、そもそも内見ができていればアクセントクロスの存在も事前に知ることが可能で、避けることもできたはずです。

■敷金0の意味を理解していなかった
敷金は保証金とも呼ばれるくらいで、基本的には退去時に戻ってくるものなんですよね。費用が発生した場合にはそれを引いた金額となりますが。敷金が0ではそもそも修繕に充てる費用が存在していないので結局退去時の負担が増えます。それと、これも今回初めて知ったのですが、敷金礼金0の物件は人を入れることを主目的としており、実際に入ってみると何かと入居者に不都合な部分がある物件が多いそうです。実際に私の住んでいた家は窓側に大きな一軒家が建っていることで日差しが殆ど入らなかったり、近隣の音がほとんど筒抜け(当然こちらが出している音も漏れているでしょう)だったりと、何かと気になる点は多くありました。初期費用をただ安くすることを考えていた為そこまで頭が回っていませんでしたが、もう少し調べておくべきでした。
・退去にあたって

■部屋の手入れ不足
退去時の請求部分はもう少し減らせたでしょう。鏡をもう少し丁寧に掃除していれば鏡研磨代は発生していません。エアコンも対策をしていればカビ(と言われただけで実際にそうなのかは定かではありませんが)の発生を防ぎエアコンクリーニング代も減らせます。そして汚れているから張り替えると言われた部分。事前に掃除をした際他にも黒ずんでいた部分はあったのですがメラミンスポンジで大方汚れは取れていました。なので見逃した部分も掃除できていれば最終的な額よりももっと安く済ませることができていたでしょう。

■退去時の状況を写真に残していない
壁の汚れに関してです。私は上に書いた通り絶対に取れたはずであると思っています。しかしそれを判断する証拠は残っていません。どの程度汚れていたのかは私と精算会社の人間しか知らず、第三者がそれを判定することは不可能です。そうするとあとは精算会社の方でどのような判断を下そうがそれを否定することは誰にもできなくなります。当然退去に立ち会った私自身もです。引越しが済み、立会いの直前あるいは立会い中にどのような状況であったかは写真に撮って残しておく必要がありました。退去してしまえばそこは自分の家ではありません。そうするともう二度と確認することはできなくなってしまいます。

■一度サインをしてしまった
結果として再計算には至りましたし、国土交通省のQ&Aにも払う必要のない金額を負担する必要はないと書いてあります。とはいえサインをしてしまうということは提示された金額に同意するという意味です。たとえ周りに黒ずくめの男性が3人いたからといってそんなことは関係ありません。最終的にサインをしたのは私自身なのですから。どうサインを保留すれば良かったのでしょうか。私のように独り身であればとにかく強く断ることでしょう。ひとまず明細だけもらって同意したらサインを郵送する、といったやり方も法的には問題はないはずです。明け渡しと精算は別とどこかに書いてありました(リンク失念)。もし家族などが立会いに来れるようであれば、第三者としてその場にいてもらうことが一番安心なのではないかと思います。

他にも自分が至らない点はあったかと思いますが物件選び・退去時精算関連でいえば大体この辺りでしょうか。とにかく契約を行うのであれば、事前に確認や調査を入念に行い、充分な知識は備えておくべきでした。

 

— 以下はまとまりのないただの愚痴です —

容姿であったり、自己評価の低さが言動に表れていたり、態度だったりと、原因はいくつか心当たりがあるのですが、私はどうしても人から見下されがちです。だからこそ好きなだけ悪口を言われたり、こちらのことを詳しく知らないような人間からまるで全てを知っているかのように上から目線で説教をされたり、都合良く利用されて必要がなくなれば関係を切るあるいはあからさまに態度が悪くなる・・・などといった扱いはこれまで数え切れないほど受けてきました。自分でも改善しようとは思ったのですが特に容姿については変えられませんし、これが自己評価の低さにも繋がっているので、どうしようもないのかなという気はしています。今回過剰な請求をされたのも恐らくは「こいつからは多めに取っても問題がなさそう」という判断があったからかもしれません。既に書いてありますが、壁のクロスについては半笑いで気をつけたほうがいいですよと言われ、明らかにこちらを見下げているような雰囲気でした。
しかし今回結果として自分を都合良く利用しようとしていた人間から、その行為をある程度阻止することができました。それは反論に必要な知識を充分に仕入れたからです。退去立会いの時点では原状回復についての知識がほとんど何もありませんでした。だからこそ相手が提示してきた金額に動揺してしまいましたし、かといってそれを断る根拠も持ち合わせていませんでした。そこから相談窓口やガイドラインを通じて、自分が負担する本当の範囲はどこまでなのかを少しづつ学んでいきました。そしてそれが結果として相手が杜撰な仕事をしていることを見抜くことにも繋がりました。約2週間、不安で頭がいっぱいでしたが最終的に請求金額が確定したときの安心感は今までにないものでした。

これから先、今回のような事態になることはきっとまた出てくると思います。今回は相手が専門分野への理解が浅かったこともあってうまくいきましたが、深い知識を持った人間が相手になるときっと苦戦すると思います。それでも、そういった人とやり合っていくには必要に応じて各分野の知識をつけていくしかないのだと思います。私は頭がそんなに回る部類の人間ではありません。この先更に苦労することにはなると思いますが、私を下に見て利用しようとしてくる人間から易々と搾取されないようにする為には知識を身につける他ありません。得意な四字熟語は前途多難。強く生きます。